簿ケースで学ぶ簿記3級
目次▼

APPENDIX

付録D模擬試験(本試験形式・60分)

60分で解いてみよう ― 本試験形式の模擬試験

第1問(仕訳15問・45点)、第2問(20点)、第3問(35点)。本番と同じ構成と配点の模擬試験だ。時間を計って解き、解答と解き方の手順で採点しよう。

読了目安 60分+採点難易度 ★★★

GOALS

この章で学ぶこと

この章の目次▼
  1. 01受験のルール
  2. 02第1問(45点:各3点)
  3. 03第2問(20点)
  4. 04第3問(35点)
  5. 05採点と復習

01受験のルール

模擬試験のルール
項目内容
試験時間60分(タイマーをセットしてから始める)
配点第1問45点、第2問20点、第3問35点(100点満点)
合格ライン70点以上
使ってよいもの電卓、計算用の白紙
解く順番(おすすめ)第1問 → 第3問 → 第2問

02第1問(45点:各3点)

問1商品450,000円(税抜価格)を仕入れ、代金のうち50,000円は注文時に支払った手付金と相殺し、残額は消費税(10%)とあわせて掛けとした。消費税は税抜方式で処理する。

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借方科目金額貸方科目金額
仕入450,000前払金50,000
仮払消費税45,000買掛金445,000

消費税は450,000×10%=45,000円。支払総額495,000円のうち、手付金50,000円を差し引いた445,000円が買掛金になる(第5・9・14章)。

問2商品380,000円をクレジットカード払いの条件で販売した。カード会社への手数料(販売代金の3%)は販売時に計上する。

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借方科目金額貸方科目金額
クレジット売掛金368,600売上380,000
支払手数料11,400

手数料は380,000×3%=11,400円。売上は総額で計上する(第7章)。

問3従業員の給料620,000円の支払いにあたり、所得税18,000円、住民税22,000円、社会保険料(本人負担分)64,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。

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借方科目金額貸方科目金額
給料620,000所得税預り金18,000
住民税預り金22,000
社会保険料預り金64,000
普通預金516,000

給料は総支給額で計上し、天引き額は預り金とする(第10章)。

問4社会保険料について、従業員負担分64,000円と会社負担分64,000円を合わせて、普通預金から納付した。

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借方科目金額貸方科目金額
社会保険料預り金64,000普通預金128,000
法定福利費64,000

会社負担分は法定福利費(第10章)。

問5業務用のオーブン1,200,000円を購入し、据付費30,000円とともに、代金は月末に支払うことにした(勘定科目は備品)。

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借方科目金額貸方科目金額
備品1,230,000未払金1,230,000

据付費は取得原価に含め、商品以外の後払いは未払金(第9・12章)。

問69月30日に、備品(取得原価900,000円、期首の減価償却累計額540,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法、間接法)を200,000円で売却し、代金は翌月末に受け取ることにした。決算日は3月31日であり、当期分の減価償却費は月割で計上する。

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借方科目金額貸方科目金額
備品減価償却累計額540,000備品900,000
減価償却費90,000
未収入金200,000
固定資産売却損70,000

当期の減価償却費=900,000÷5年×6/12=90,000円(4月〜9月)。帳簿価額=900,000-540,000-90,000=270,000円。200,000円で売ったので売却損70,000円(第12章)。

問7前期に発生した売掛金150,000円が、得意先の倒産により回収不能となった。貸倒引当金の残高は90,000円である。

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借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金90,000売掛金150,000
貸倒損失60,000

前期発生の債権は、まず貸倒引当金を取り崩し、不足分を貸倒損失とする(第11章)。

問8決算において、現金過不足勘定の貸方残高4,500円の原因を調べたところ、受取手数料6,000円の記入漏れと、郵便切手代800円の記入漏れが判明した。残額は原因不明である。

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借方科目金額貸方科目金額
現金過不足4,500受取手数料6,000
通信費800
雑損700

貸方残高の現金過不足を借方に書いてゼロにし、判明した原因を仕訳したうえで、貸借差額700円(借方)を雑損とする(第3章)。

問9増資のため、株式300株を1株あたり50,000円で発行し、払込金額は普通預金に入金された。

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借方科目金額貸方科目金額
普通預金15,000,000資本金15,000,000

3級では払込金額の全額を資本金とする(第13章)。

問10株主総会で、繰越利益剰余金を財源として、株主配当金600,000円と利益準備金60,000円の積立てが決議された。

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借方科目金額貸方科目金額
繰越利益剰余金660,000未払配当金600,000
利益準備金60,000

決議の時点ではまだ支払っていないので未払配当金(第13章)。

問11買掛金280,000円の支払いのため、取引銀行を通じて電子記録債務の発生記録を行った。

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借方科目金額貸方科目金額
買掛金280,000電子記録債務280,000

(第8章)

問12銀行から、借入期間9か月、年利率3.2%で2,000,000円を借り入れ、利息を差し引かれた残額が普通預金に入金された。

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借方科目金額貸方科目金額
普通預金1,952,000借入金2,000,000
支払利息48,000

利息=2,000,000×3.2%×9/12=48,000円(第9章)。

問13出張から戻った従業員から、タクシー代4,800円と宿泊費12,000円の領収書の提出を受け、出張前に渡していた概算額20,000円との差額を現金で受け取った。

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借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費16,800仮払金20,000
現金3,200

概算払いは仮払金で処理していたので、確定した旅費に振り替え、残額を回収する(第9章)。

問14店舗を賃借し、保証金400,000円、1か月分の家賃200,000円、不動産会社への仲介手数料200,000円を普通預金から支払った。

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借方科目金額貸方科目金額
差入保証金400,000普通預金800,000
支払家賃200,000
支払手数料200,000

保証金は返ってくる権利なので資産(第9章)。

問15得意先から商品の内金50,000円を現金で受け取った際に、誤って売上として処理していたことが判明した。これを訂正する。

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借方科目金額貸方科目金額
売上50,000前受金50,000

誤った仕訳「現金/売上」の逆仕訳「売上/現金」と、正しい仕訳「現金/前受金」を合算し、現金を相殺する(第16章)。

03第2問(20点)

問1(10点:各2点)

当期(4月1日〜3月31日)の保険料勘定と前払保険料勘定の記入である。保険料は、毎年11月1日に1年分(216,000円)を普通預金から支払っている。前期末には、4月〜10月の7か月分を前払保険料として計上した。空欄(ア)〜(オ)に当てはまる勘定科目または金額を答えなさい。

保険料
借方貸方
4/1 (ア)126,0003/31 前払保険料(ウ)
11/1 普通預金216,0003/31 (エ)(オ)
(イ)(イ)
前払保険料
借方貸方
4/1 前期繰越126,0004/1 保険料126,000
3/31 保険料(ウ)3/31 次期繰越(ウ)

問1第2問・問1の解答

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(ア)前払保険料 (イ)342,000 (ウ)126,000 (エ)損益 (オ)216,000

保険料
借方貸方
4/1 前払保険料126,0003/31 前払保険料126,000
11/1 普通預金216,0003/31 損益216,000
342,000342,000
前払保険料
借方貸方
4/1 前期繰越126,0004/1 保険料126,000
3/31 保険料126,0003/31 次期繰越126,000
252,000252,000
  • 4/1:前期末の前払分の再振替(保険料/前払保険料)。
  • 3/31:11月1日に支払った1年分のうち、翌期4月〜10月の7か月分を繰り延べる。216,000×7/12=126,000円。
  • 3/31:当期の保険料(126,000+216,000-126,000=216,000円)を損益勘定に振り替えて締め切る(第15・19章)。

問2(10点:各2点)

次の文の空欄(ア)〜(オ)に当てはまる語句を、下の語群から選びなさい。

  1. 仕訳帳に記入した取引を、総勘定元帳の各勘定に書き移す手続きを(ア)という。
  2. すべての勘定の借方の合計と貸方の合計が一致することを、(イ)の原理という。
  3. 期中に費用として処理した支払額のうち、次期以降の分を資産として繰り延べるときに用いる勘定を、まとめて(ウ)という。
  4. 資産・負債・純資産の勘定に「次期繰越」と記入して締め切り、翌期首に「前期繰越」と記入する決算の方法を、(エ)決算法という。
  5. 売掛金元帳や商品有高帳のように、特定の勘定の内訳を記録する補助簿を(オ)という。

語群:仕訳/転記/試算表/貸借平均/前払費用/未払費用/英米式/大陸式/補助元帳/補助記入帳

問1第2問・問2の解答

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(ア)転記 (イ)貸借平均 (ウ)前払費用 (エ)英米式 (オ)補助元帳

現金出納帳や仕入帳のように、取引の明細を発生順に記録する補助簿は「補助記入帳」。特定の勘定の内訳を記録するのが「補助元帳」だ(第2・15・16・19章)。

04第3問(35点)

株式会社アイアンワークス(24時間ジム「IRONWORKS 24」を運営し、店内でプロテインなどの商品も販売している)の、次の資料にもとづいて、損益計算書と貸借対照表を作成しなさい。会計期間は×8年4月1日〜×9年3月31日である。

資料1:決算整理前残高試算表(×9年3月31日)
借方勘定科目貸方
286,000現金
5,450,000普通預金
260,000売掛金
640,000クレジット売掛金
180,000繰越商品
1,020,000仮払消費税
150,000仮払法人税等
6,000,000備品
1,500,000差入保証金
買掛金520,000
借入金2,400,000
仮受金80,000
仮受消費税1,860,000
貸倒引当金6,000
備品減価償却累計額2,300,000
資本金5,000,000
繰越利益剰余金1,209,400
売上18,600,000
受取手数料116,600
2,400,000仕入
7,800,000給料
990,000法定福利費
2,750,000支払家賃
960,000水道光熱費
180,000保険料
300,000広告宣伝費
1,100,000減価償却費
90,000租税公課
36,000支払利息
32,092,000合計32,092,000

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資料2:決算日までに処理していなかった事項
番号内容
1仮受金80,000円は、法人会員からの売掛金の回収であることが判明した。
2法人会員から売掛金60,000円が普通預金に振り込まれていたが、記帳していなかった。
資料3:決算整理事項
番号内容
1期末商品棚卸高は210,000円である。
2売掛金とクレジット売掛金の期末残高に対して、1%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
3備品の減価償却は、年間見積額1,200,000円(定額法・間接法)を月割で毎月計上しており、4月〜2月の11か月分は計上済みである。決算月も同様に計上する。
4収入印紙の未使用分が8,000円ある。
5保険料180,000円は、×8年7月1日に1年分を支払ったものである。
63月分の家賃250,000円が未払いである。
7借入金2,400,000円(年利率2%)の利息は、毎年12月31日に1年分を後払いしている。当期の未払分を計上する。
8受取手数料のうち30,000円は、次期の分を前受けしたものである。
9消費税(税抜方式)の処理を行う。
10法人税等は、税引前当期純利益の30%とする。

問1第3問の解答と解き方

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手順1 期中の未処理事項を先に処理する

仕訳資料2の1:仮受金の内容判明
借方科目金額貸方科目金額
仮受金80,000売掛金80,000
仕訳資料2の2:売掛金の回収の記帳漏れ
借方科目金額貸方科目金額
普通預金60,000売掛金60,000

売掛金は260,000-80,000-60,000=120,000円に減る。これを先に処理しないと、手順2の貸倒引当金がずれる。

手順2 決算整理仕訳をすべて書き出す

仕訳1. 売上原価(仕入の行で計算)
借方科目金額貸方科目金額
仕入180,000繰越商品180,000
繰越商品210,000仕入210,000
仕訳2. 貸倒引当金:(120,000+640,000)×1%=7,600円、7,600-6,000=1,600円
借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入1,600貸倒引当金1,600
仕訳3. 減価償却(月次決算):1,200,000÷12=100,000円(3月分のみ)
借方科目金額貸方科目金額
減価償却費100,000備品減価償却累計額100,000
仕訳4. 貯蔵品
借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品8,000租税公課8,000
仕訳5. 前払保険料:×9年4月〜6月の3か月分 180,000×3/12=45,000円
借方科目金額貸方科目金額
前払保険料45,000保険料45,000
仕訳6. 未払家賃
借方科目金額貸方科目金額
支払家賃250,000未払家賃250,000
仕訳7. 未払利息:1月〜3月の3か月分 2,400,000×2%×3/12=12,000円
借方科目金額貸方科目金額
支払利息12,000未払利息12,000
仕訳8. 前受手数料
借方科目金額貸方科目金額
受取手数料30,000前受手数料30,000
仕訳9. 消費税
借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税1,860,000仮払消費税1,020,000
未払消費税840,000

手順3 税引前当期純利益を出し、法人税等を計上する

収益:売上18,600,000+受取手数料86,600=18,686,600円

費用:16,886,600円(下の損益計算書の法人税等より上の合計)

税引前当期純利益=18,686,600-16,886,600=1,800,000円

仕訳10. 法人税等:1,800,000×30%=540,000円、未払分540,000-150,000=390,000円
借方科目金額貸方科目金額
法人税、住民税及び事業税540,000仮払法人税等150,000
未払法人税等390,000

手順4 財務諸表に表示する

損益計算書(×8年4月1日〜×9年3月31日)
費用金額収益金額
売上原価2,370,000売上高18,600,000
給料7,800,000受取手数料86,600
法定福利費990,000
支払家賃3,000,000
水道光熱費960,000
保険料135,000
広告宣伝費300,000
減価償却費1,200,000
租税公課82,000
貸倒引当金繰入1,600
支払利息48,000
法人税、住民税及び事業税540,000
当期純利益1,260,000
合計18,686,600合計18,686,600
貸借対照表(×9年3月31日)
資産内訳金額負債及び純資産金額
現金286,000買掛金520,000
普通預金5,510,000借入金2,400,000
売掛金120,000未払費用262,000
貸倒引当金△1,200118,800前受収益30,000
クレジット売掛金640,000未払消費税840,000
貸倒引当金△6,400633,600未払法人税等390,000
商品210,000資本金5,000,000
貯蔵品8,000繰越利益剰余金2,469,400
前払費用45,000
備品6,000,000
減価償却累計額△2,400,0003,600,000
差入保証金1,500,000
合計11,911,400合計11,911,400

表は横にスクロールできます →

手順5 必ず確認するポイント

  • 売上原価=180,000+2,400,000-210,000=2,370,000円
  • 支払家賃=2,750,000+250,000=3,000,000円、支払利息=36,000+12,000=48,000円
  • 減価償却費は1,100,000+100,000=1,200,000円(1年分)。累計額は2,300,000+100,000=2,400,000円
  • 未払費用=未払家賃250,000+未払利息12,000=262,000円
  • 貸倒引当金は、売掛金・クレジット売掛金のそれぞれから1%ずつ控除して表示する
  • 繰越利益剰余金=1,209,400+当期純利益1,260,000=2,469,400円(試算表の金額のまま書かない)
  • 損益計算書と貸借対照表の、それぞれの左右の合計が一致する

05採点と復習

配点と採点の目安
大問配点採点のしかた
第1問45点1問3点。借方・貸方の勘定科目と金額がすべて合っていて正解
第2問 問110点空欄1つ2点
第2問 問210点空欄1つ2点
第3問35点損益計算書・貸借対照表の金額の正答数÷全体の金額の数×35点(目安)

採点したら、次の順で復習する

  1. 1

    70点以上なら合格圏

    間違えた問題の章の「試験の急所」を読み直し、同じ問題をもう一度解く

  2. 2

    第1問が36点未満なら

    付録Cの仕訳道場を、1問30秒になるまでくり返す

  3. 3

    第3問が25点未満なら

    第18章の決算整理仕訳を白紙に書き出す練習をし、第19章の表示ルールを確認する

  4. 4

    最後に

    ネット試験の模擬問題や過去問で、別の問題を60分で解いて仕上げる

SUMMARY

模擬試験のまとめ

  • ✓解く順番は第1問→第3問→第2問。配点の大きい問題から確実に取る
  • ✓第3問は「未処理事項→決算整理仕訳→法人税等→表示」の順に、すべての仕訳を書き出してから解答する
  • ✓月次決算の減価償却は決算月の分だけ、貸倒引当金は未処理事項を処理した後の残高で計算する
  • ✓貸借対照表の繰越利益剰余金には当期純利益を加える